Dynamics 365を導入する目的が明確になり、各部署の協力を得て、導入後のフォロー体制まである程度イメージできるようになりました。
さて、Dynamics 365 を導入することが社内で決定事項になり、メインで利用する営業メンバーに、Dynamics 365 を利用し始めたイメージを伝える必要があります。
Dynamics 365 の機能により何が実現可能であるかは、これまでの記事でお伝えしましたが、その機能をもし営業が実際に使ったら、何が変わるのか?どんな風に営業活動が行われていくか、そのイメージを伝えることはできるでしょうか?
そこで、今回は Dynamics 365もし営業活動の中で活用したら、にフォーカスしたシナリオをご紹介します。以下のようなシナリオは、営業場面で起こり得ることでしょう。ぜひ現場の活動でも当てはめてみて、CRMがどのような場面で必要になるかをイメージしてみてください。
目次
営業ではどのような場面でDynamics 365を使うのか?
今回は、営業活動で Dynamics 365 を活用したシナリオについて記載します。導入するアプリケーションを、Dynamics 365 for Sales として、そのアプリケーションで Dynamics 365 の機能を活用したらどのような営業活動になるのかをイメージしていただければと思います。
今回のシナリオでは、以下のような営業活動の流れに沿っていきます。
【1】リードの管理(見込みのある顧客との営業活動)
【2】見込みのある顧客の管理(リードから営業案件へ)
【3】営業案件のクローズと請求書の作成
【シナリオの登場人物】
- 営業A
- 資産家B
【1】 リードの管理(見込みのある顧客との営業活動)
営業Aの所属する株式会社Xが協賛する商材Z 投資セミナーにて。
資産家Bは、セミナーに参加された経緯を確認すると、「資産運用のため 商材Z を選択したいが、どうすればいいか」という状態。そのため、名刺交換をして、現在の業界の傾向と商材Z 投資のメリットデメリットについて、営業Aと別の機会で話すことでアポをとりました。
営業Aは自社に戻り、Dynamics 365 for Sales を使い、リード情報に、資産家Bとの会話、名刺情報を入力しました。さらに、次回アポの日付を入力し、これによって自分のカレンダーにアポの日付と待ち合わせ場所が同期されました。アラートは30分前に設定される状態になっています。
後日、資産家Bより電話がかかってきました。
そこで、営業Aは、セミナーでは聞き出せなかった
・融資先の銀行の情報や会社の経営状況
・どのくらいの利率で運用したい
などの要望を聞き出すことができました。
これらの要望をリードのメモ機能を使って、忘れないようにすぐ電話の内容と時間、資産家Bの温度感などを記録しました。
資産家Bとのアポの 30分前に、待ち合わせの場所にてタブレットPCを開く営業A。資産家Bが話していた内容を Dynamics 365 のリード情報より再確認して、自社の商材Zをどういったコンセプトで紹介するかシミュレーションしていました。
やがて、資産家Bが待ち合わせ場所に到着。要望を再確認して、自社の商材Zの紹介を行いました。メリットデメリットも十分に話し、120分ほど会話をして、その日は終了しました。
資産家Bは営業Aのプレゼンをとても気に入り、「ぜひ次回は 商材Z を投資した場合のシミュレーションをしたい」とのことでした。そのため、自社に戻り Dynamics のリード情報を開き、この顧客情報を 「見込みあり」 としました。
【2】 見込みのある顧客の管理(リードから営業案件へ)
Dynamics 365 で見込みがあると判断されたリードは、そのリード情報を元に、会社情報、個人情報、そして提案した商材Zに関する営業案件が自動的に作成されます。
営業Aは、資産家Bと会話した内容を営業案件に記録して、次のアポイントメントの日付を決めます。その前に、商材Zを投資した場合に、10年~30年でどれくらい資産が増えるかをシミュレーションした結果を資料として作成しました。その資料を忘れないように、Dynamics 365 の 資産家B 会社情報に添付ファイルとしてアップロードしておきます。
また、シミュレーションの結果を元に、投資することに前向きであれば見積書を渡す予定でした。Dynamics 365 の営業案件より「見積書」を作成して印刷しました。これで、次回の商談の準備は万端です。
商談当日、資産家Bは営業Aが用意したシミュレーションや運用情報を確認します。資産家Bは投資する気持ちが固まり、見積書の依頼を営業A に依頼しました。
準備した見積もりを見せると、資産家Bから 「御社の別の商材X も併せて投資すると、いくらになるだろうか?」と質問が。
営業Aは慌てることなく、タブレットPCの Dynamics 365 営業案件から、商材X を提案している商品に追加して、再度見積書を作成します。
資産家Bは、その見積りを確認して、「ぜひ商材Zと商材Xの両方を投資したい」ということが決まりました。後日、契約に必要な書類、融資の準備を完了できる日を設定し、契約日のアポ日を設定していきます。
自社に戻り、営業案件を「受注」にステータスを変更。請求書を作成して、契約に向けた準備を整えました。
【3】営業案件のクローズと請求書の作成
融資についての状況を資産家Bに伝え、無事資産家Bから契約書にサインをいただくことができました。契約成立です。
さっそく営業Aは、Dynamics 365 で「受注」のステータスになった営業案件を開き、請求書を作成します。そしてその請求書を印刷して、投資家Bに郵送しました。
数日後、投資家B からの入金を確認したので、営業Aは Dynamics 365 の請求書を「支払い済み」というステータスに変更。営業案件をクローズとして、1つの商談を終えました。
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もし営業活動で、商談開始からクローズまで Dynamics 365 を活用したらというシナリオでした
シナリオの中では、Dynamics 365 for Sales の以下の機能を活用していました。
・ リードの作成と活動の管理
・ カレンダーや地図との連携機能
・ リードから会社情報や商談情報の自動作成
・ 営業案件から見積や請求書の作成
もしこの後、Dynamics 365 for Customer Service を利用するシナリオであれば、
「サポート案件」として、資産家B のアフターケアをカスタマーサポートのメンバーに引き継ぐ流れとなるかもしれません。
各企業によって、営業のスタイルや扱う商材は異なりますが、自社の営業活動を元に、
「もし Dynamics 365 を活用したら、どのような営業活動となるか?」をシナリオ化してみてください。