Dynamics 365 for Project Service Automation (PSA) でプロジェクトを計画した際に少し触れましたが、インターフェイスやバージョンの差異により、Project Service の動作が異なるようで、今回は、統一インターフェイスでスケジュールボードが正しく表示できない事象を確認しました。
バージョンアップにより改善する可能性もあるかもしれませんが、まずバージョン2で対処した手順をご紹介します。
※ 2019年 1月時点での対応になります。
背景:統一インターフェイスへ移行
Dynamics 365 バージョン 8 で慣れ親しんだ メニューは Web インターフェイスと呼ばれていましたが、バージョン 9 よりモバイルにも対応した 統一インターフェイス という新しいインターフェイスが追加されました。
Webインターフェイス
統一インターフェイス
※バージョン9 へアップデートされた方は、アプリメニューに「顧客サービス ハブ」や「営業ハブ」というアプリが追加されていると思いますが、これらは統一インターフェイスで構成されたアプリです。
Dynamics 365 Community の情報によると、アプリを新規に作成する際、バージョン 9.0.2.2279 までは Web か 統一インターフェイスを選択できたようですが、マイナーアップデート後のバージョン 9.1.0.33 移行は、統一インターフェイス のみの選択肢になりました。
※ Web か 統一インターフェイスかは、「設定」の「マイアプリ」から確認可能です。
これにより、新しくユーザー向けに作成したアプリ(統一インターフェイス)において以下のトラブルシュートを行いました。
現象:スケジュールボードが表示されない
アプリを新しく作成する際、サイトマップデザイナーで表示させるエンティティ (サブエリア)を選択します。リソースの空きを把握するために必要な「スケジュール ボード」は、Web リソース (ScheduleBoard.html) であるため、サブエリアの 「URL」に値を入力して保存・公開します。
しかし統一インターフェイスのメニューに「スケジュール ボード」が表示されることはなぜかありません。
メニューを開いても表示されていないことがわかります。これはシステム管理者で確認しても同じ結果でした。
対策:ダッシュボードでスケジュールボードを利用する
対策としてダッシュボードを利用することにしました。
ダッシュボードであれば、ページ内に Web リソースを挿入できますし、サイトマップで簡単に追加できます。
システムダッシュボードの作成
まず「設定」の「カスタマイズ」から「システムのカスタマイズ」を開き、「ダッシュボード」から「新規」をクリックします。
ダッシュボードのタイプなどは任意として、セクションに Web リソースを追加します。
リソースを *ScheduleBoard.html で検索してみます。msdn で始まる Webリソースがあるので、選択します。
名前やラベルは任意で、「OK」をクリックします。
必要に応じて、メニューの「・・・」より幅や高さを拡大させてください。
「上書き保存」で保存してから「閉じる」でダッシュボード編集を完了します。あとはカスタマイズを公開してください。
サイトマップにダッシュボードを追加する
次に作成したダッシュボードをサイトマップエディターでメニューに追加しましょう。先ほど開いていたサイトマップエディターのサブエリアで、「種類」を “ダッシュボード”、「既定のダッシュボード」を作成したダッシュボードに設定したら、保存して公開します。
作成したアプリのメニューを開くと、先ほどは表示されていなかった「スケジュールボード」が表示されています。
クリックして表示をすると、ダッシュボード上でスケジュールボードが表示されていると思います。もし表示されていない場合は、ダッシュボード一覧から選択してください。
別途、WBS が統一インターフェイスだと表示されない現象は、バージョンアップで解消するとマイクロソフトサポートより回答いただいたので、さっそくそちらも検証してみようと思います。
もしバージョンアップにより、スケジュールボードの現象も改善していたら、こちらに記載します。