Dynamics 365 for Project Service Automation でプロジェクトを作成して、チームメンバーをアサインする際に、アサインされたメンバーの割り当て時間の計算が少し複雑なので、その動作についてご紹介します。
リソースの”割り当て方法”
プロジェクトのチームメンバーとしてリソースを割り当てる際、「割り当て方法」というフィールドに選択肢があります。
公式ページを確認すると下記のような意味であることがわかります。
・全キャパシティは、指定されている開始日と終了日のリソースの全キャパシティを予約します。
・キャパシティの割合は、指定されている開始日と終了日のリソースのキャパシティの割合でリソースを予約します。
・時間別 – 均等分布は、指定された開始日から終了日まで 1 日あたりに等しく分散して、指定された時間数のリソースを予約します。
・時間別 – 前倒しは、指定された開始日から終了日まで 1 日あたりの前倒し時間で、指定された時間数のリソースを予約します。
・なしは、チームに対してリソースを追加しますが、このキャパシティを吸収する予約は作成されません。
上記の説明だけでは少しわかりづらいので、図で表現してみました。
上図は、2019/02/07 – 02/08 の 2日間 ( 8時間 x 2 = 16 時間)リソースをそれぞれの割り当て方法で予約したものです。※この8時間という時間は作業テンプレートにて設定しています。
この 16時間という時間が影響するのは「全キャパシティ」と「キャパシティの割合」です。
- 「全キャパシティ」の場合は、100% 予約することになるので、2日間で 8時間をそれぞれ1つのプロジェクトで予約されています。
- 「キャパシティの割合」の場合は、その割合を設定しますが、ここでは50%としているため、2日間で 4時間が予約されています。
「時間別 – 均等分布」と「時間別 – 前倒し」は設定の際に「期間」(これは時間の意味)を設定します。上図では期間を12時間としています。
- 「時間別 – 均等分布」の場合は、12時間を2日間で均等に分布するため、12時間 / 2日間 = 6時間 が均等に割り当てられます。
- 「時間別 – 前倒し」の場合は、前日の 2/7 に 8時間を先に割り当て、余った 4時間を 2/8 に割り当てています。
このように割り当て方法の設定により、リソースで予約される時間が異なるので、うまく使い分けてください。
WBS の出荷単位について
上記のようにプロジェクトのメンバーとしてある一定の時間を予約したら、その時間を WBS でタスクに割り当てていきます。その際に、下図のような「出荷単位」という項目があります。
この「出荷単位」は、WBSの「工数」と「期間」と連動しています。例えば、下図のような「工数」が 40時間、「期間」が 5日で「出荷単位」が100% の開発タスクがあるとします。
この開発タスクに2名の別会社からのプログラマーをアサインする場合、「追加」ボタンで2名のプログラマを「出荷単位」100%で追加すると、「工数」が50%毎に割り当てられます。
もし2名のプログラマの作業負担が、80:20 の場合はどうするのでしょうか?「出荷単位」の%を変更します。
このように割り当ててられているタスクに複数のリソースがアサインされているのであれば、「出荷単位」で各リソースの割り当て時間を調整できます。
50% のみ割り当てられているリソースの出荷単位について
1つのプロジェクトに100%のリソースを割り当てることが基本かと思いますが、PM のように複数のプロジェクトを兼任している場合は、リソースの割り当て率を分配する必要があります。例えば、下図のような PMで「割合」が 50% のリソースを WBS のタスクに割り当てるとします。
WBS の「フィット&ギャップ」タスクの「工数」は40時間で、「出荷単位」を100%でアサインすると、本来 40時間が割り当てられるはずです。
ただ、ここは Dynamics 365 for Project Service Automation のいいところで、プロジェクトのチームを確認すると「割り当てられた時間」は20時間 (40時間 x 50% ) と自動で計算されています。
リソースのプロジェクト参画割合を気にすることなく、タスクにアサインできます。これは個人的によくできた機能だなと思っています。
プロジェクトメンバーのリソース割り当てや出荷単位については動作が少しわかりづらいので、参考になればと思います。今回はここまで。