Dynamics 365のブログ
2017.08.26

Dynamics 365 アプリケーションの特徴

Dynamics 365 を理解

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Author: Takafumi Noguchi
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これまで、CRM システムとして Dynamics 365 はなぜおすすめかをご紹介してきましたが、その際に、Dynamics 365 で提供されているアプリケーションについてすこし触れました。ここではその各アプリケーションをご紹介します。Dynamics 365 は営業支援のシステムからはじまり、マーケティングやサポートサービス、プロジェクト管理や人事と様々な特徴についてご紹介します。

 

目次

  • Dynamics 365 for Sales で営業支援
    • Dynamics 365 for Sales の事例
  • Dynamics 365 for Customer Service で顧客満足度を向上
    • Dynamics 365 for Customer Service の事例
  • Dynamics 365 for Field Service で製造業やフィールドサービスで活用
    • Dynamics 365 for Field Service の事例
  • Dynamics 365 for Project Service Automation プロジェクトのリソースやスケジュールを管理
    • Dynamics 365 for Project Service Automation の事例
  • その他、Dynamics 365 で提供されているアプリケーション
    • Dynamics 365 for Marketing
    • Dynamics 365 for Talent
    • Dynamics 365 for Finance and Operations
    • Dynamics 365 for Retail

Dynamics 365 for Sales で営業支援

Dynamics 365 for Sales というアプリケーションは、Dynamics 365 で一番人気のアプリケーションです。Sales Force Automation(営業活動の自動化)のアプリケーションになり、営業の活動データを蓄積して、最適なネクストアクションを促すアプリケーションです。そして、営業が生み出す組織の利益を最大化するために活用します。

Dynamics 365 for Sales では以下のような機能が提供されています。

  • 見込み顧客から顧客情報への変換(企業情報、担当者情報、案件情報への変換)
  • 見込み顧客と商談パイプラインの管理
  • 受注までのアクションを業務フローとして営業の平準化
  • メール・電話・予定・メモなどの営業活動を細かく管理
  • 商談確度や温度感の管理
  • メールの追跡機能(開封・リンク・添付ファイル確認)
  • 競合企業分析(商談の勝敗の分析、競合戦略などを考える)
  • 見積書や請求書を Word 形式でダウンロード
  • 営業の売り上げ目標を管理
  • ダッシュボード・セールスファネルの活用
  • レポート機能 など

また、最近では、AI for Sales という人工知能を活用した営業支援ツールもリリースされています。

AI-for-Sales

引用元:AI for Sales

Dynamics 365 for Sales の事例

マイクロソフトの公式ページには、4社が事例として紹介されています。sales-examples

引用元:Dynamics 365 for Sales の概要

 

それぞれの事例の詳細です。(英語)

Swarovski 社の事例(ビデオ)

Infosys 社の事例

Apttus 社の事例

Celestica 社の事例(ビデオ)

 

Dynamics 365 for Customer Service で顧客満足度を向上

Dynamics 365 for Customer Service はカスタマーサポートやヘルプデスクなどのお客様対応部門で利用できます。サポート部門の対応力やスピード、サポート品質を向上させるために、お客様や社内からのお問合せをサポート案件として1件ずつ管理して、その現象の詳細・原因・解決策をチケット(SR:サービスリクエスト)として記録します。お客様対応の数が増え、チケットが蓄積されるとそれらは過去事例となり、会社の資産となります。この事例を活用すれば、サポートメンバーのスキルや知識のギャップを縮め、サポートサービスの質を維持・向上することに役立ちます。

また、サポート案件における、解決までの時間、顧客満足度、問題の重要度などをカテゴリー分けすることで、サポート部門のレスポンスタイムの向上、サービス向上に必要なスキルセットを選定、新しいサポートメンバーへの事例ベースの教育、お問合せ元に合わせたサービス提供の改善など、サポート部門の現状の分析と、品質向上の戦略を立てることを容易にしてくれます。

Dynamics 365 for Customer Service の事例

Customer Service のアプリケーションの活用事例が公式ページに紹介されています。HP社の事例では、顧客へのレスポンスの向上や、AIを使った自動応対からサポート部隊へのスムーズな情報共有、ダッシュボードで顧客のフィードバックや問題解決されていないお問い合わせの分析などを行っています。

引用元:Dynamics 365 for Customer Service の概要

HP社の事例(ビデオ)

AccuWeather 社の事例(ビデオ)

ブランプトン市(カナダ)(ビデオ)

 

Dynamics 365 for Field Service で製造業やフィールドサービスで活用

Dynamics 365 for Field Service は “ものづくり” を行う製造業、家電やパソコンなど様々な電子機器のメンテナンスや故障の際に技術者を派遣、旅館やホテルの送迎サービスのためのドライバーを派遣など、フィールドサービスと呼ばれる領域で利用されるアプリケーションです。例えば、農家が利用するトラクターを提供する企業が、故障の連絡を受けて、現場に一番近い技術者を派遣して修理を行うことや、製造の過程のデータをすべて蓄積して、製造にかかるコストを大幅に削減するなどの用途で利用することができます。

Dynamics 365 for Field Service は、スケジューリングを自動化することができるため、技術者全員の 1日のスケジュールを表示して、最短の移動時間で、多くの案件を対応できるように自動的にスケジューリングを行います。技術者はそのスケジュールに合わせて、1日の業務を効率的にこなしていくことができるでしょう。

また、技術者が現場へ移動する際は、モバイルデバイスを使ったルート案内を行い、時間通りに顧客先へ伺うことができます。さらに、サービスを提供した顧客情報(嗜好や対応内容)を技術者同士で共有することで、より質の高いサービスを提供できるようになります。技術者のリソースを最大限生かし、顧客に合ったサービスを提供することで、自社のサービスのリピート率を高めていく工夫を、Dynamics 365 for Field Service で行うことができます。

IoT と連携すれば、顧客へ提供した商品がいつメンテナンスが必要であるか、問題や故障が発生していないかを正確に把握することができます。さらに、Mixed Reality を活用すれば、高度なスキルをもった技術者が、様々なエリアの顧客の問題解決を遠隔で行うことも可能になるでしょう。

Dynamics 365 for Field Service の事例

Field Service の活用事例は以下の通りです。Sodexo 社は、天然ガスや石油・発掘などの資源、ヘルスケアや教育において Dynamics 365 を活用しています。広大なフィールドで作業をする技術者は、日々の業務指示に沿って作業を進め、Dynamics 365 for Field Service に日々記録し、作業効率を高める努力をしています。

引用元:Dynamics 365 for Field Service の概要

それぞれの事例の詳細です。(英語)

SANDVIK 社の事例(ビデオ)

Sodexo 社の事例(ビデオ)

Handcare 社の事例(ビデオ)

 

Dynamics 365 for Project Service Automation プロジェクトのリソースやスケジュールを管理

Dynamics 365 for Project Service Automation は、様々な業界で発足されるプロジェクトを管理するためのアプリケーションです。IT プロジェクトでの活用もその1つで、IT コンサルタントや SIer が自社のシステム・パッケージを販売・導入するプロジェクトで活用できます。

Dynamics 365 for Project Service Automation では、Sales と同じようにリードや企業・顧客情報、契約や請求書などの情報を使用して、プロジェクトが受注されるまでを記録することができるほか、プロジェクトに必要なリソースやスキルの管理、プロジェクトマネージャーや技術者のスケジュール・タスク管理を行うことができます。マイクロソフト製の Project と連携することで、WBS をクライアント端末上で作成して、その WBS を Dynamics 365 のプロジェクトと同期することができるため、作業効率がグッとあがります。

また、自社のメンバーだけでなく、外部協力会社もリソースとして追加して、原価と営業価格を分けて管理できるので、各プロジェクトにおける利益率や見積もりなどを簡単に計算することが可能です。もちろん、遠方に派遣される技術者の移動や宿泊経費もプロジェクトの予算として追加管理できます。このようにプロジェクトに必要な予算の見積もり、自社のリソースの最適化、スケジュールやプロジェクトの進捗状況の管理、経費や収益の計算など、プロジェクトに関わる業務を一括して管理することが可能です。

Dynamics 365 for Project Service Automation の事例

Project Service Automation は以下のような企業で利用されています。

引用元:Dynamics 365 for Project Service Automation の概要

それぞれの事例の詳細です。(英語)

WIPFLi 社の事例(記事)

KPMG 社の事例(記事)

Global Strategy Group 社の事例(記事)

 

その他、Dynamics 365 で提供されているアプリケーション

上記の4つ以外に、さらに以下のようなアプリケーションが提供されています。

Dynamics 365 for Marketing

Dynamics 365 for Marketing は、マーケティングを支援するアプリケーションです。Sales と連携することで、マーケティング部門と営業部門の情報共有を円滑にして、組織のビジネス拡大につながる支援を行います。また、Marketo や Hubspot のようなマーケティングオートメーション と連動すれば、マルチチャネル(ランディングページやポータルサイト、メルマガ配信、ウェビナーやイベントなど)で作成された見込み顧客リスト(リード)のアクションを分析、スコアリングして、個々のリードに対する適切なマーケティングを行うことが可能となります。

以下は、Dynamics 365 for Marketing の機能概要を説明するビデオです。

 

Dynamics 365 for Talent

Dynamics 365 for Talent は人事で活用できるアプリケーションです。採用時に利用する Attract と、新入社員の教育や企業や業務になれるまでのサポートを行う Onboard の2種類が存在します。Attract では、採用担当者とのコラボレーションを密に行い、自社に最適な人材確保のためのサポートを行います。入社希望者へ募集中のポジションの詳細を展開し、募集者が現在どのようなステータスで、どう追跡することで確保できるかなどの戦略を立て、実行することに役立ちます。

また、Onboard では、新入社員が、チームに慣れるまでの期間を短縮するために、社員間のエンゲージメントを強化し、入社時に必要なペーパーワークを最小限にすることで、業務へ集中することをサポートできます。入社時に必要な書類・トレーニング内容・組織図などを一か所に集約することで、より早く企業へ影響力を持つことも可能になります。

比較的新しいアプリケーションのため事例はまだ少ないですが、以下がマイクロソフトが提供する製品に関するビデオです。

 

Dynamics 365 for Finance and Operations

Dynamics AX が、Dynamics 365 for Finance and Operations という名前のアプリケーションとなりました。ERP の機能を提供するアプリケーションです。社内の財務・経理処理のサポートで活用することが可能です。帳簿や関連レポートの抽出、予算管理、債務などの財務プロセスを自動化、従業員のコストパフォーマンスを管理することも可能になります。また、製造業などでは、生産に関する、見積・受注・注文書などの業務を業務フローで可視化し、業務手順に必要な改善個所を明確にすることもできます。

Dynamics 365 for Retail

Dynamics 365 for Retail は小売業で利用できる Dynamics 365 のアプリケーションで、オンラインストアや店舗間での管理、売り上げ向上に向けた戦略、顧客情報管理によるトレンドの把握などを行うことができます。また、店舗での在庫、製品情報や価格を正確に管理し、アンケートなどを元に顧客のニーズに合わせたトレンド戦略を打つことも可能です。オムニチャネルに対応し、店舗やオンラインでの商品の購入後、配達までスムーズかつ柔軟に対応でき、顧客のフィードバックを受け取ることで、顧客満足度を高め、自社ブランドのファンを構築することができます。

以下がマイクロソフトが提供する製品に関するビデオです。

 

後述した4つのアプリケーションについては、別途ライセンス費用が必要になりますが、これらのアプリケーションを駆使することで、1つの企業内の様々な業務を1つのインスタンスで管理できることができ、社内間の情報共有やコラボレーションを活発に行うことができると予想できます。

以上が、Dynamics 365 が提供するアプリケーションです。自社の課題に合わせて、どのアプリケーション導入が効果的あるかを判断して、利用してみてください。

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