Dynamics 365のブログ
2017.08.25

なぜ Dynamics 365 を選ぶべきか?

Dynamics 365 を理解

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Author: Takafumi Noguchi
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前回 CRM システムについて理解するでは、CRM についての概要や必要な理由、そして情報を一元化することの価値について学んできました。もし CRM システムを導入することを検討しているのであれば、マイクロソフトが提供する Dynamics 365 をここではおすすめしています。それでは、なぜ Dynamics 365 を選ぶべきなのか?についてご紹介します。

 

目次

  • Dynamics 365 とは何か?
  • Dynamics 365 優れている理由
    • CRM だけに留まらない幅広いアプリケーション
    • マイクロソフト製品としての恩恵を受けることができる
    • セキュリティ・サービスの継続を保証している
  • CRM システムとして優れている理由
    • 営業に必要な機能がすべて網羅されている
    • コストを大幅に抑えることができる
  • 終わりに

Dynamics 365 とは何か?

まず CRM システムとしての Dynamics 365 をおすすめする前に、Dynamics 365 とはどういった製品なのかについて少しだけご紹介します。Dynamics 365 は マイクロソフト社が2003年に Microsoft CRM としてリリースされました。マイクロソフトは、CRM 製品として Dynamics CRM、ERP (統合基幹業務)製品として Dynamics AX をそれぞれリリースしており、2016年にそれらを統合して Dynamics 365 として新たにリリースされました。

以下はDynamics 365 という製品を簡単に説明したマイクロソフトの動画です。

 

Dynamics 365 優れている理由

それでは、なぜ Dynamics 365 が優れたビジネスアプリケーションであるかについてご紹介します。

CRM だけに留まらない幅広いアプリケーション

Dynamics 365 として CRM と ERP の機能を持ち、CRM は Dynamics 365 for Sales、ERP は Dynamics 365 for Finance and Operations としてリリースされましたが、CRM と ERP のみならず、Dynamics 365 は様々なサービスを用意しています。

  • Customer Service:カスタマーサービス・ヘルプデスクで活用
  • Field Service:ハードウエアの設置・設定・保守・修理 など行うフィールドサービスで活用
  • Project Service Automation:プロジェクト管理で活用
  • Talent:人事(採用と教育)で活用
  • Retail:リテールで活用
  • Marketing:キャンペーンやイベント、ウェビナーなどのマーケティングで活用
  • Artificial Intelligence:Sales、CS などの領域で AI を活用した機能を提供
  • Mixed Reality:現実空間と仮想空間を混合させて、リモート環境でも従業員同士のコミュニケーションを図ることができる。

Dynamics 365 はこのように、様々な領域で活用することができるビジネスアプリケーションです。

CRM が Dynamics 365 を知るきっかけになるかもしれませんが、それを活用する部署は限られているかもしれません。営業や間接の一部の部署でしょうか?もし、隣のマーケティング部門がマーケティング活動をシステム化したいと要望があった場合、CRM とは異なるビジネスアプリケーションを新しく導入するでしょうか?人事やヘルプデスクの場合はどうでしょう?Dynamics 365 は、それらの部署のニーズに応えることが可能です。そして、1つのビジネスアプリケーションが、さまざまな部門のシステム化を担うことで、組織内のすべての情報を一元化することにつながります。

マイクロソフト製品としての恩恵を受けることができる

マイクロソフト製品の最も強いところは、ここです。他のマイクロソフト製品とシームレスに連携ができます。Office 製品は最も親和性の高い製品です。Dynamics 365 のデータ入力は Excel で行うことができます。テンプレートを使えば、データを Word で出力できます。Outlook を使えば、わざわざ Dynamics 365 にブラウザでアクセスしなくても、Outlook からデータを読み取り、編集することができます。

SharePoint と連携させることで、Dynamics 365 のデータに関連するファイルをアップロードすることができるので多くの顧客に紐づくファイルを安全に管理できるようになります。Yammer や Team を使うと、組織のメンバーとチャットした内容が反映されるので、チームに重要な内容を取りこぼすことなく連携できるようになります。

蓄積されたデータをわざわざダウンロードして Excel を使ってグラフ化したら、PowerPoint でプレゼン資料を作っていませんか? Power BI を使えば、Dynamics 365 のデータを見える化できるので、プレゼン資料を作成する手間は大幅に削減できるでしょう。Power Apps は、営業が日々 Dynamics に入力する作業を最小限にするアプリを簡単に開発できます。Flow を使えば、頻繁に起こる作業や承認フローを自動化でき、マイクロソフト以外の製品ともつながることができるでしょう。

このように、マイクロソフト製品の数だけ連携できるので、その可能性は無限に広がっていきます。

セキュリティ・サービスの継続を保証している

Dynamics 365 は Azure 上に構築され、顧客データはすべてクラウドで管理されているので、セキュリティ面やサービスが継続できるのか?障害などで使えなくなったりデータが消えたりしないのか?と心配になることも多いかもしれません。特にオンプレミスと言って、サーバーを自社で構築してシステムを使っていた組織であれば、尚更クラウドに対する不安があるかもしれません。

その点においてマイクロソフトは、サービスの継続性については以下のように記載されています。

セキュリティとサービスの継続
業務で外部サービス プロバイダーがデータの格納および管理するときの主要な考慮事項は、セキュリティ、データ保護、プライバシー、およびデータ所有権です。 Microsoft では、これらの問題に真剣に取り組み、セキュリティおよびプライバシーを伴うクラウドおよび設置型における長年の経験を Dynamics 365 (online) サービスの配信に適用しました。 この焦点は、サービス レベル契約(SLA) の条項の 99.9% の時間をかけて強調されます。

引用元:ヘルプおよび追加リソース

また、マイクロソフトは障害が発生した場合や、不具合や使用上の疑問を解消するために、カスタマーサポートも用意しており、管理センターからお問い合わせできるようになっています。

 

 

CRM システムとして優れている理由

Dynamics 365 がマイクロソフトのビジネスアプリケーションとして優れている理由については理解はできました。それでは、CRM システムとして Dynamics 365 for Sales はどれほど優れているのでしょうか? 

営業に必要な機能がすべて網羅されている

顧客の獲得から商談・受注管理や見積書と請求書の作成、営業メンバーとチームの目標管理まで営業に必要なすべての機能を網羅しています。これほど高機能である CRM システムは実はそこまで多くはありません。安価な CRM システムにおいては、必要な機能だけを絞って提供されていることもあるため、顧客管理はできるけれど、受注や請求書の管理まではカバーされていない、商談で必要なステージ管理がしづらいなど足りない部分があります。

また、電子メールを送付した場合、その受け取り手が、いつ開封したか、添付したファイルや記載したリンクは確認していただけたか?を、送り手が把握できるようになっています。これはリアルタイムは営業には欠かせない情報です。

このように、”必要最低限の機能” でなく、想像以上の機能が用意されているのが Dynamics 365 for Sales の特徴です。

コストを大幅に抑えることができる

CRM システムのようなビジネスアプリケーションは、直接の利益を生み出すシステム、とは言いづらいためコストがどうしても気になってしまいます。特に利用するだけの営業マンにおいては、できる限りコストを最小限にできれば、というのがシステム管理者の願いでもあるかもしれません。

Dynamics 365 for Sales はそのニーズにもきちんと応えています。上述した営業支援としての高機能アプリケーションとして一番比較されるのが、Salesforce になるのですが、その Salesforce と比較するとよくわかります。(2018/05/22 時点)

Dynamics 365 for Sales 

10,330円 (1ユーザーあたり月額)

Sales Cloud Lightning Enterprise

18,000円 (1ユーザーあたり月額) ※年間契約

Dynamics 365 の営業支援用ライセンスは上記の価格ですが、さらに非管理者メンバーへライセンスを割り当てる場合は、以下の Team Member というライセンスを利用すれば、さらにコストを下げることが可能です。

Dynamics 365 Team Members

870円 (1ユーザーあたり月額)

Team Member というライセンスは一部利用できる機能に制限がありつつも、非管理の社員が利用するには十分すぎる機能がそろえられています。(機能の違いはこちら)Dynamics 365 for Sales のコストは安価な CRM システム並みに抑えることも不可能ではありません。

なお、Dynamics 365 の価格は微妙に変わることがあるので、詳しくは Dynamics 365 の価格 をご参照ください。

終わりに

Dynamics 365 としての魅力、そして CRM システムとしても優れていることが少しでも理解していただければ嬉しい限りです。ここでは書ききれませんでしたが、Dynamics 365 においては以下のような特徴もあります。

  • クラウドとオンプレミスのどちらかを選択することができる点
  • コードレスカスタマイズというコードを書けなくても多くのカスタマイズを実現することができる点
  • 開発者コミュニティには日々様々な課題が挙げられており、その解決策を世界中のプロフェッショナルが提供しているため、Dynamics 365 に関する情報がとても豊富である点

このように掘り下げていけばいくほど、様々な機能や魅力に気づくことができます。これはマイクロソフト製品全般にも言えることなのかもしれません。開発者のパッションを感じるような製品を通して、組織の営業データを管理・活用するステップを一歩でも踏み出せたらと思います。

それでは、次回は Dynamics 365 のアプリケーションについてご紹介します。お楽しみに。

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